4/小規模回路による量子演算
シリコン量子ビットを効率的に演算させるための手法の開発を目指しています。開発を進める上では、量子ビットアレイ構造の一部を構成する基本的な「小規模実験回路」を活用し、シリコン量子ビットによる量子演算実現に向けた課題の早期抽出を行います。初期化、読み出し、ビット操作、ビット結合性などの基本操作を効果的に組み込むことのできる量子ビットアレイ構造および制御方法の探索を実施します。得られた知見は、研究開発課題1“2次元量子ビットアレイ”で進める2次元量子ビットアレイ構造に反映させます。さらに、目標である量子演算の実現に向け、策定した2次元量子ビットアレイ構造で量子演算を効率的に行うための量子ビット制御方法の検討を行います。小規模量子回路の実装を通じて、さらなる大規模化に向けた課題を抽出するために研究を推進していきます。
研究開発課題
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7. アレイ化と量子ビット基本演算の両立
量子ビットアレイ構造の一部を構成する「小規模な実験回路」を活用し、量子ビットアレイ構造において顕現化することが予期される、量子ビット基本演算実行時の課題を解決する指針の策定を目指しています。量子ビット構造をアレイ化する際には、初期化、読み出し、量子状態制御といった量子ビット基本演算の実行方式に制約が生じます。この制約課題を抽出して、解決のための指針について、「小規模な実験回路」を活用しながら基礎的な評価を行うことで、量子ビットのアレイ化と量子ビット基本演算が両立可能な方式を検証します。研究開発課題1“2次元量子ビットアレイ”と密に連携し、シリコン2次元量子ビットアレイのオルタナティブな設計を含めた、大規模集積化に適した構造を探索します。
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8. 量子ビットの量子制御性の検証
研究課題7「アレイ化と量子ビット基本演算の両立」と協力して、シリコン量子ビットを効率的に演算させるための手法を開発します。開発を進める上では、量子ビットアレイ構造の一部を構成する基本的な「小規模実験回路」を活用し、シリコン量子ビットによる量子演算実現に向けた課題の早期抽出を行います。少数量子ビットの高忠実度制御における知見に基づき、2次元量子ビットアレイ構造で実用的な量子演算を実行するために必要となる量子ビット制御方法の検討を行います。
課題推進者
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米田淳 -
中島峻